■オストメイトの悩み
健常者であったときには理解しがたいストーマと共に生きていくという現実は、オストメイトにとって、ストーマのセルフケアとストーマからの排泄という行動の制約に対処するため、少なからずライフスタイルの変更を余儀なくされるということである。
オストメイトは、ストーマを造設された時から悩みを家族にも相談できず一人で抱え込んでいる。また、ストーマに関する範疇は当事者でなければ理解できないので、独り悶々として過ごす日々が続くことになる。オストメイトの多くは、排泄物の漏れや臭いのトラブルを一度ならず経験しストーマ周囲の皮膚障害に時として苦しみ、ストーマ装具の装着が困難な事態になれば外出できなくなる。ストーマのセルフケアがうまくいかない、ストーマが不安などの理由で、外出など行動範囲を狭めているオストメイトもいる。
総じてオストメイトには、排泄にかかわる問題をはじめとしてストーマ周囲の皮膚トラブル対策のほかに、骨盤内手術に起因する性機能障害・排尿障害や腸閉塞・尿路感染症等の術後の合併症への対応、がんの転移・再発および原疾患等への不安が常について回る。
もちろん、身体機能の変化による精神的なダメージ、日常生活上の悩み・不安、排泄処理への対応などのほかに、夫婦関係・対人関係・職場での対処などの面でも問題を抱えており、多様な生活ニーズがある。また、若年層では就学・就労・恋愛・結婚・妊娠・出産などで大きなハンディキャップがあり苦悩している。


