■不安から見た問題点と要望
オストメイトは、日常生活面でいくつかの不安を抱えている。当協会の生活実態調査に見られる不安からその問題点と要望の主なものをまとめてみる。
- 災害時の不安
オストメイトはストーマ装具がなくては家庭内でも生活ができないので、ストーマ装具を自宅に保管し、外出時はこれを身近に携帯しているが、災害発生の避難時にストーマ装具を持ち出せなかった場合は身動きがとれなくなる。
この対策として、当協会では地方自治体に対して災害発生時における避難所でのストーマ装具の緊急支給を要望している。また、装具販売業者に対して、ストーマ装具を可及的速やかに自宅などへ配達する体制の確立をお願いしている。 - 老後の不安
オストメイトの生活はストーマのセルフケアにより成り立っており、高齢になってもこれを維持していかなければならない。そして、自分でセルフケアができなくなったときは他人の手助けによりこれをカバーしていく必要があり、身体が不自由になったとき或いは寝たきりになったときに、公的サービスにより満足なストーマケアを受けられるよう切望している。
介護施設はもちろん在宅ケアにおいては、看護職と介護職の協働によるオストメイトの障害特性に配慮した機動性のある介護サービス提供をお願いしたい。現在、当協会では社会の理解を得て、ホームヘルパーでもストーマのセルフケア範囲内を代行できる体制の確立を要望している。 - 外出時の不安
オストメイトは外出時に不安と緊張からトラブルを起こしやすく、常にアクシデントを心配しながら外出している。例えば排泄物や臭いが漏れたりするトラブルが発生した時は、パニック状態となり近くのトイレへ駆け込むことになるが、一般トイレでは緊急処理が容易でなくオストメイトが困窮している。
オストメイトのバリアフリーとして、当協会では平成11年頃から公共的施設の身障者トイレや多機能トイレの中に、排泄物処理、ストーマ装具の交換・装着、ストーマ周囲皮膚の清拭・洗浄などトラブル発生の緊急時に対応可能な設備を備えるよう全国的にアピールしている。また、病院においても通院・入院の際に、オストメイトが便利にトイレを使用できるよう配慮されることを願っている。
最近、オストメイトの切実なニーズが社会的な理解を得て、この『オストメイト対応トイレ』が普及しつつあり、今後の期待は大きい。オストメイト対応トイレの入口には、オストメイトが入りやすいようにオストメイトマーク(案内用図記号)が表示されている。


