公益社団法人日本オストミー協会 Japan Ostomy Association, Inc. (JOA)

オストミー用語解説集 さ行

編纂 (公社)日本オストミー協会/平成24年4月1日改訂

  • ストーマ(Stoma)

    手術によって便や尿を排泄するために腹壁に造設された排泄孔のことをいい、消化管ストーマと尿路ストーマがある。消化管ストーマをコロストミーまたはイレオストミーといい、尿路ストーマを総称してウロストミーという。

    (注)オストメイトの間では人工肛門や人工膀胱という言葉の代わりに、ストーマという言い方をするのが慣習となっている。

  • スキンケア(Skin care)

    皮膚障害を予防し、障害皮膚を健康な状態に維持する局所管理のこと。

    (注)オストメイトとしては、ストーマ周囲皮膚の基本的な手入れと観察、適合皮膚保護剤の選択と正しい装着、などによって皮膚状態を良好に維持し、排泄物やストーマ装具などの刺激(発赤、表皮剥離、ただれ、かゆみ、痛みなどのトラブル)から皮膚を守ること。

  • スキンバリア (Skin barrier):皮膚保護剤のこと。(その項参照)

    ストーマ周囲の皮膚を排泄物やテープ類などの刺激から守るための皮膚保護剤。スキンバリアの種類としては、カラヤ系、合成系、混合系がある。液状の被膜剤もある。

  • ストーマケア(Stoma care)

    狭義では、ストーマ合併症の予防、創感染の予防およびオストメイトのセルフケア習得を目的として、ストーマ周囲の皮膚に関するケアとストーマ装具の選択・装着・交換、皮膚の清拭、ストーマ装具内の排泄物処理などの局所ケアを指すが、広義ではさらにオストメイトの生活面・身体面・心理面の総合的なケアを意味する。

  • ストーマゲージ(Stoma gauge)

    ストーマの大きさを測定する計器。計測はストーマの根元に当てて行い、面板やストーマ袋にストーマ孔の穴あけを行うときの型紙にもなりうる。

  • ストーマサイズ(Stoma size)

    ストーマの縦・横・高さのサイズをいう。縦と横のサイズはストーマの根元で測り、高さは皮膚から排泄口までの最短距離。ストーマのサイズは装具を選択する際の基本的な要素である。ストーマのサイズは術直後から数カ月間は変化し、半年後位でほぼ一定する。

  • ストーマ装具/ストーマ用品/洗腸用具

    • ストーマ装具には、ツーピース系とワンピース系とがあり、国の日常生活用具給付制度では、消化器系ストーマ袋と尿路系ストーマ袋に分類している。
      • ツーピースタイプ(二品系)とは、皮膚保護剤の付いた面板フランジにストーマ袋を接合するもので、面板を皮膚に粘着させたままストーマ袋を適宜交換できる。
      • ワンピースタイプ(単品系)とは、ストーマ袋と面板(皮膚保護剤)が一体化しているもので、一括処理できる。
    • ストーマ用品は、ストーマ装具の装着時に、皮膚の保護・排泄物の漏れ防止・皮膚への装具密着などのストーマ管理に使用する各種用品をいう。皮膚保護ペースト/パウダー/ウエハー、凸型嵌め込み具(コンベックス・インサート)、固定用ベルト、剥離剤(リムーバー)、皮膚被膜剤(スキンバリア)、レッグバッグ(下肢装着用蓄尿袋)、ナイト・ドレーナージバッグ(夜間用蓄尿袋)、袋カバー、サージカルテープ、皮膚保護剤穴あけ専用はさみ、消臭剤などがある。
    • 洗腸用具は、洗腸排便法(灌注排便法ともいう)をおこなっているコロストメイトが洗腸を行う際に必要とする用具であり、洗腸液袋、洗腸注入部品、洗腸排出部品からなる。
  • ストーマ袋(ISOではパウチではなくバッグという)

    ストーマに着けて便や尿を受けて収集する袋。多くは防臭性のある積層プラスチックフィルム製の使い捨ての製品で、用途により次のような種類がある。

    • オープンエンド ストーマ袋(コロストミーとイレオストミー用の下部開放型)
      排出口である裾の開口部がストレートに開いていて、術直後などに使用する。
    • ドレーナブル ストーマ袋(コロストミーとイレオストミー用の下部開放型)
      オープンエンドよりも裾の開口部が狭い。
    • クローズド ストーマ袋(コロストミー用の下部閉鎖型)
      固形便で便量があまり多くないコロストーマや洗腸後に使用するコンパクトなストーマ袋。
    • ウロストミー ストーマ袋
      ウロストミー専用のストーマ袋で、尿の逆流を防ぐ逆流防止弁と尿タップが付いている。
    • ミニ ストーマ袋
      肌色の小型のストーマ袋で入浴やスポーツなど短時間に使用するのに便利である。
  • 人工肛門 (ストーマの項参照)

    人為的に腸管の一部を体外に引き出して開放した排便孔のこと。

  • 人工膀胱 (ストーマの項参照)

    尿を排泄するために造設された尿路排泄孔の俗称であり、医学用語ではない。

  • ストーマ外来

    ストーマケアや退院後の日常生活上の指導などストーマリハビリテーションを行う外来部門。

  • 自然排便法

    薬剤や洗腸のような人為的操作を加えずに、食事や運動による生理的蠕動運動によって排便すること。他方、洗腸(灌注)排便や薬剤排便などは強制排便法という。

  • ストーマ保有者

    オストメイトと同じ意味。

  • ストーマのセルフケア(Self care of stoma)

    ストーマの自己管理。オストメイト自身がストーマとその周囲の皮膚を良い状態に維持すること。

  • 洗腸排便法(Irrigationイリゲーション)

    灌注排便法というのが学術用語。医学的に洗腸とは大量の水や薬液を注入して腸内容をほぼ課全に排除することであり、経口、経肛門、経ストーマ等の種類がある。コロストメイト専用の洗腸用具を使用して、ストーマから微温湯を注入し大腸に刺激を加え、一気に排便を促す方法。24時間~48時間は臭いのないガスのみが出て排便が起こらなくなる。ただし、この強制排便法には適応・不適応の判断が必要で、主治医の許可を得る必要がある。

  • ストーマサイトマーキング(Stoma site marking)

    オストメイトの術後の生活パターンに合わせたセルフケアが容易になるように、装具の装着に好都合で最適なストーマ位置を選んで、術前に造設予定のしるしをつけておくこと。

  • ストーマ周囲皮膚炎

    ストーマの周囲にさまざまな原因で起こる皮膚の炎症。

  • ストーマリハビリテーション(Stoma rehabilitation)

    ストーマと合併症の障害を克服して自立するだけでなく、オストメイトの心身および社会生活の機能を回復させること。また、それを促進する技術と方法。

  • ストーマ周囲皮膚障害

    ストーマ周囲皮膚の病的状態(皮膚炎、発赤、びらん・潰瘍、肥厚など)。

  • ストーマ術前オリエンテーション

    ストーマ造設手術を受ける前に、ストーマ概念の説明や位置決めなどを実施して、患者がストーマを正しく認識できるようにすること。